種満堂の一本杉と蛇崩(しゅまんどうのいっぽんすぎとじゃくずれ)
大字麓から大字村山に通じる県道のかたわらに、やや小高く盛り上がった塚があり、ここに頭の部分を折られた老杉が一本あります。
伝説によると、昔はこの付近一帯は沼であり、その中に小さな鳥喰島(浮島)があって、ひとつの神明様を祀るお堂があったことから、島堂と呼ばれていたそうですが、いつか訛って「しまんどう」といわれるようになったといいます。
その少し西に一本の大杉がありました。
また、一説には、このお堂に鳥を喰わぬという誓いをたてて祈願を込めると、俗にいう脚気、種満がなおるといわれたところから、村人たちに「種満堂」と呼ばれるようになったといいます。
昔からこの付近一帯に、石斧や矢の根石(石鏃)などが発掘され、俗に「天狗のめしがい」と呼ばれる石鏃に似て、ちょっと形の異なった石片類が出たとのことです。
この「天狗のめしがい」といわれる石片が国上山蛇崩(じゃくずれ)の天狗の伝説につながっています。
蛇崩といわれるのは、国上山の頂上の一角、北側半分がほとんど全部崩れて険しい場所です。昔の人は、この場所は人工や自然現象で崩れたものではなく、大昔この地に棲んでいた大蛇が尾を振って崩したのだと語り伝えています。
この蛇崩の国上山には天狗(山神)がたくさん住んでいて、毎年3月9日の朝5ッ時(午前8時)天狗一同が蛇崩に集まり、水晶石で作られた魔よけの矢の根石を次々に種満堂の一本杉を的に定めて射放ったといわれます。
いつのころか、麓のお百姓さんが「山の神さんが矢を射放つなどとは嘘だ」といって、3月9日の朝、いつものように鍬(くわ)をかついで種満堂の畑に行きました。仕事をしていて、突然ビューンとうなる大きな物音が蛇崩の方からしてきたと思った瞬間、ちょうど振り上げた鍬の柄にガチリと矢の根石が突き立ったので、何もかも放り出して命からがら逃げ帰ったといいます。
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