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矢作山の五兵衛狐(やはぎやまのごへえきつね)

ページ番号
1100410
更新日
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矢作山の五兵衛狐は人をだますことが大好きですが、お人よしの方でもあったということです。いつも馬のフンを「おはぎ」にしたり、木の葉をお金にしたりして、人のごちそうを取り替えては喜んでいました。
あるとき、おじいさんがよそへよばれていき、ごちそうをわらっとこにして手に下げて家に帰る途中のことです。五兵衛狐は何とかしてそのごちそうを取りたいと思い、娘に化けて後になったり、先になったりしていました。その仕種からおじいさんは悟って、 「ははぁー、俺を化かして物を取るつもりだな。」 と思い、 「おいおい娘!おまえは俺のごちそうがほしいのだな。俺はそんな良い娘をおんぶしたことがない。俺におぶさればこのごちそうは全部おまえにあげるから、俺におぶされや!」 と言いました。娘(狐)は、おぶさればごちそうがもらえるものと思ったのでおぶされましたが、いつまでもいつまでもおろしてごちそうをくれない。そのうちに家の近くになるので、 「早くおろしてうまいものくれや!」 といってもおろしもせず、どんどんと家に近づきました。狐はがまんできなくなって、狐の大切な宝の"へ"を一発放したけれども、おじいさんはそれくらいではへこたれず、とうとう家の中へ連れて入ってしまいました。
さて、狐もどうしようもなく、家の片隅でぶるぶるとふるえていました。おじいさんは、 「おい、五兵衛狐や!おまえは人を化かしたり、物を取ったり、悪いことばかりしてきたやつだが、これからこんな悪いことをしなければゆるして解き放してやるがどうだ!」 と狐に問いました。狐は涙をこぼして、 「これからは改心し、決して悪いことはしない。」 とあやまりました。おじいさんは気の毒に思い、放してやりました。それからというもの、悪いことをしない良い狐になったということです。

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