魵穴の狐(えびあなのきつね)
-今日は魵穴(弥彦村の地名)の狐を聞かせようかな。
「あい!」 -大工さんがね、夕方、仕事を終えて魵穴まで来ると、泉(弥彦村の地名)の灯が見えるんだ。
「ふぅーん。」 -急いで自転車を踏んで、どんどん行くと、いつのまにか同じ場所に来るんだと。
「ふぅーん。」 -一生懸命に走っても同じところに来るんで、魵穴の家で、泉はどっちだろう、と聞くとね。
「うん!」 -あの灯りの見えるところだ、と教えてくれたんでね、喜んで一面草原の田んぼの中を急いで走っていったって。
「ふぅーん。」 -どうも走らないので、自転車を見ると、輪が草で空回りしているんだって。
「ふぅーん。」 -いくら走っても、泉の灯りが見えるのに着かないんだな。大工さんもすっかり疲れて、タバコを一服つけたとたんに狐が離れたと。狐に化かされたんだね。自転車は動かんし、しかたないんで自転車を引いて、10時過ぎにやっと家へ帰ったって。
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