④食育
編集指導・・・唐津 敦子氏(弥彦村福祉保健課 管理栄養士)
<食育とは>
成長期の子どもに対する食育は、子どもたちに「食」に関する知識と、自分でバランスのよい「食」を選べる力を身につけてもらい、子ども時代のみならず、「食」を通して生涯に渡って健康な生活を送るための力を育むことを目的としています。
<食育で身につけること>

① 食べ物を大切にする感謝の心
② 好き嫌いしないでバランス良く食べること
③ 食事のマナーなどの社会性
④ 食事の重要性や心身の健康
⑤ 安全や品質など食品を選択する能力
⑥ 地域の産物や歴史などと食文化の理解
<乳児期の食育>
赤ちゃんは、3か月を過ぎる頃には、体重は生まれたときの約2倍になり、1年を過ぎる頃には約3倍になります。運動機能の発達も進み、生涯のうちで成長が最も著しい乳児期の栄養摂取は、将来の成長発達にかかわる大切なものです。

① 授乳は母と子の関係を築くスタート
この時期の食事は、単に子どもが栄養を補給することだけでなく、子どもがこれから生活していく最初の人との出会いとして、特に母親とのスキンシップは、その結びつきを深めるものとして重要なものです。
② 離乳食で味覚を養い、噛む練習を
離乳食は母乳やミルクでは足りない栄養素を補うと同時に、いろいろな食べ物に親しみ、その味に慣れること、噛むこと、飲み込むことなど、その後の食生活を豊かにする土台をつくるうえで重要です。
③ 離乳の完了は1歳6か月頃を目安に進めよう!
幼児期の食事にうまくつなげるために、1歳6か月頃を目安に離乳の完了を目指しましょう。
<幼児期の食育>
食に関して子どもたちのプラスになることを、子どもたちに習慣としてなじませることが大切です。そして、それらがいつの間にか子どもたちにとって「当たり前」となることが、家庭での食育のベストな形です。
① 1日3食の食事リズムを整え、不足分はおやつで補う
幼児期は生活リズムの基礎ができる大事な時期です。食事は決まった時間に3回食べるようにします。そのために日中よく遊んだりして「おなかが空く」という生理的なリズムを実感できるようにしましょう。また、この時期のお子さんはまだ胃は小さいため、3回の食事で摂りきれない栄養素は、おやつで補うことも大切です。
エネルギー源になる食べ物の甘味や、生存に重要なミネラルであるナトリウムを含む塩味等、本能的に好まれる味は過剰摂取になりがちです。なるべく薄味を心がけましょう。さまざまな食べ物の味を経験できる食事にすることが、幅広い味覚をつくり、偏らない嗜好の形成につながります。
② 歯が生えそろうまでは噛みにくいものもいっぱいある
奥歯が生えそろう2歳~3歳まではまだまだ食べにくいものが多くあります。奥歯が生えそろっても噛む力は大人よりも弱く、大人と同じようには食べられません。子どもの食事の様子をみて、食べづらそうにしているものがあるか見てみましょう。

③ 食事のマナーを身につける
食べる前には「いただきます」、食べ終わったら「ごちそうさま」。手づかみ食べからスプーンやフォーク、箸も使うようになるので、食具で扱いやすい食材の大きさに切るなどするとよいでしょう。また、買い物や食事の準備、片付けの場面で手伝いをさせることは、食への興味の促しにつながります。家族や周りの大人がよい手本を見せましょう。
④ 食を通じて、他の人とのコミュニケーション
子どもにとって誰かと一緒に食事をすることは、栄養摂取という観点だけでなく、食べることの楽しさやコミュニケーション、社会性を学ぶ場として大切です。食を通じて子どもの心の成長を促すことができます。
<親として心掛けたいこと>

① 欠食をさせない
1日3食、決まった時間にきちんと食べることを体に覚えさせることは生活リズムを整える上で大変重要です。特に朝食を抜かないことです。休日でもしっかり時間を決めて食べるよう心がけましょう。
② 正しい配膳をする
「ご飯は左、お味噌汁は右」など、口でわざわざ説明しなくても、毎日正しい配膳を繰り返すことで自然と身につきます。
③ 孤食をさせない
親がどんなに忙しくとも、子ども一人で食事をさせないことが大切です。笑顔で、楽しい会話をしながら食事をすることで、子どもの情緒は安定し、コミュニケーション能力や社会性が身につきます。
④ 偏食をさせない
子どもの偏食を親が許し、食べられるものだけ与えていると、将来的には生活習慣病になる恐れがあります。また、精神面の発達が心配されます。食欲があり楽しく食べる子どもは好奇心旺盛で自発的、食べることが嫌な子は意欲や好奇心が少ないという研究結果があります。
偏食にならないために、調理を工夫するなど、できることから対策を取りましょう。
⑤ 一緒に料理をしてみる、または調理しているところを見せる
子どもが食材の調理前の形を知らない、という話をよく耳にします。一緒に料理をしたり、その様子を見せたりしましょう。また、簡単な炒めものでも、具材を入れる順序やその理由、調味料の役割などを知るいい機会にもなります。
<マナーとして身につけさせたいこと>

① 茶碗や箸の正しい持ち方と使い方
② 食事の正しい姿勢
③ テーブルに肘をつかない
④ 口の中に物が入ったまましゃべらない
⑤ 足を組んで食べない
⑥ 食事中に席を立たない
⑦ TVや本を見ながら、ゲームをしながら食べない
<食育に関するQ&A> 唐津管理栄養士による回答
【参照】
文部科学省 食育てなに?(https://www.mext.go.jp/syokuiku/what/index.html)
本庄市HP 年代別の食育(乳児期・幼児期)(www.city.honjo.lg.jp/kurashi/kosodate/1562805214872.html)
すこやか やひっ子 トップページに戻る