② 子どもの生活リズム
編集指導・・・柳本 利夫氏(新潟市西区中権寺 やぎもと小児科院長)
<生活リズムを整えると、3つの“よいこと”が育つ!>
① 集中力が育つ
集中力を高め、感情をコントロールするホルモン「セロトニン」は、ぐっすり眠って目覚めた朝に太陽の光をたっぷり浴びると、分泌が増えます。セロトニンの分泌が減ると、イライラしたり攻撃的になったりします。
② 抵抗力がつく
夜、真っ暗な部屋で静かに眠っていると、「メラトニン」というホルモンが分泌されます。メラトニンには感染症などへの抵抗力を高める働きがあるので、ぐっすりといい睡眠がとれている子は病気になりにくい傾向があります。
③ 自己肯定感が育つ
人は睡眠中に記憶を整理しています。たくさん眠ることで体験したことが脳に入力され、自分のものになっていくのです。これによって「やったことがあるからできる」という自信をもち、自己肯定感が高まります。
<子どもの生活リズム改善>
① まずは「早起き」から始める
理想の睡眠時間は「6時に起きて21時に寝る」ですが、すぐには難しいものです。生活リズムを「早寝早起き」にシフトするには、まず「早く起きる」ことから始めるとよいでしょう。「早く寝る」より「早く起きる」ほうが、体にとって簡単なのです。
② カーテンを開けて朝の光を浴びる
朝、子どもを起こしたら、カーテンを開けて朝の光を浴びるようにしましょう。脳の中の体内時計は朝の光を感じることで、リセットされます。光が入りにくい部屋の場合は電気をつけたり、外に出たりして、とにかく光を浴びることが大切です。

③ 朝ごはんを食べる
朝食は、いわば脳の目覚まし時計です。朝ごはんをきちんと食べると、脳が活性化して1日を元気よくスタートできます。早起き朝食は、家族のコミュニケーションの場ともなり、園や学校に行っても元気に過ごせます。
④ 日中はなるべく外出する
日中外出して体をたくさん動かすと、ほどよい疲労感で夜ぐっすり眠ることができます。さらに、太陽の光をたくさん浴びるとセロトニン、メラトニンの分泌を促し、体内時計を正しく保ちます。幼児の理想は、昼寝を挟んで午前と午後の2回、1時間半ずつ外出することです。走ったりジャンプしたり、夢中で体を動かすことでセロトニンの分泌が促され、心身ともに健やかな成長につながります。
⑤ 昼寝は15時までに終わらせる
幼児の昼寝の時間が遅いと夜なかなか寝られず夜更かししてしまい、翌朝起きられなくてリズムが狂うという悪循環に陥ってしまいます。理想の昼寝時間は「12時から2時間」です。遅くても15時までには終わらせましょう。
⑥ 夕食時間を早くする

夕食の時間はできるだけ早めに、寝かせる2時間前には夕食にしたいものです。大人は、一日の食事の中で「夜ごはんがメイン」というイメージがありますが、子どもにとっては、食べた後寝るだけなので、手早く食べられ消化のよいもので十分です。その分、朝食と昼食でバランスのよい食事を心がけましょう。
⑦ おふろを夕食の前にする
体温は、夕方に高く、だんだん下がってくると眠くなってきます。そんなとき、熱いおふろに入ると、体温がまた上がって眠りにくくなります。寝つきが悪い場合は、夕食とおふろの順番を逆にするとうまくいくこともあります。寝る前のおふろは、お湯の温度はぬるめにします。
⑧ 寝る時間になったらテレビを消す
子どもが寝る時間になったら、きっぱりテレビは消しましょう。どうしても見たい番組は録画して休みの日に見るなど工夫をしましょう。
⑨ 「スマホ休みタイム」
一番あわただしい時間帯である「18~21時」は、スマホを見ない「スマホ休みタイム」と決めておくのもいいでしょう。
⑩ 入眠儀式を見つける
「寝る前にはいつも必ずこれをする」という「入眠儀式」を日課にするとよいでしょう。おすすめは絵本です。好きな絵本を1冊子どもに選ばせて、布団の中で読み聞かせをします。読んだ後に電気を消して、小さな声でおしゃべりやスキンシップするなどリラックスタイムを過ごしましょう。慣れてくると、「絵本を読んで電気を消すとだんだん眠くなってくる」という習慣が身についていきます。
⑪ 昼間できるだけ体を動かす
昼間にいっぱい活動すれば、夜早く眠れます。よく体を動かして運動したり、遊んだりするように心がけましょう。
⑫ 子育て支援センターの活用
今日は早起きできた、昨日の夜は夜泣きが大変だったなど、日々の生活について気軽に話し合える仲間がいるとよいものです。子育て支援センターに出かけると、0歳児から幼児までいろんな年齢の子どもたちが遊びにきています。みんな「子育て中の仲間」なので、愚痴や失敗談を共有したり、年上の子の親には経験談を聞いたりと、気軽にいろんな話をしてみましょう。
【参照】
小学館 Hagkumu 集中力や自己肯定感も育つ!子供の「生活リズム」を整える7つのコツ(https://hugkum.sho.jp/33838)
e‐厚生労働省ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-007.html)
すこやか やひっ子 トップページに戻る