子どもの睡眠Q&A 回答・・・柳本 利夫氏(新潟市西区中権寺 やぎもと小児科院長)
Q1 子どもの睡眠のリズム
まだ夜中に授乳していますが、何ヶ月くらいから睡眠のリズムを作れますか?
赤ちゃんは生後4ヶ月頃から昼夜の区別がついてきます。生後6ヶ月を過ぎると昼間の活動が活発となり夜の睡眠時間は長くなります。夜間の授乳はその後も続くことがありますが、やがて減ってきます。離乳食がすすんでいくと、栄養としての夜間授乳の役割は少なくなります。
Q2 明るい部屋での睡眠
まだ赤ん坊なので大人がテレビを見ているそばで寝かせていますが、暗くした方がいいのでしょうか?
睡眠時は部屋を暗くすることをおすすめします。明るいと睡眠に必要なメラトニンの分泌が妨げられます。
Q3 深夜まで起きている
ようやく夜にまとまって寝るようになりましたが、なかなか寝つけず、 親が寝る深夜近くまで起きています。 朝はゆっくり起きるので睡眠時間はたっぷりですから、自然と眠くなるまでそのままにしていていいですか?
幼児期の就寝時刻はその後、小学校での朝起きにも影響を与えます。また、睡眠時間の長さだけではなく、朝の光をあびることが健康的な生活リズムにつながると考えられています。親の生活リズムは、いい意味でも悪い意味でも子どもに大きな影響を与えますので、親自身の生活習慣をみなおし、できるところから改善や工夫をしてみるといいです。
Q4 寝てくれません(6ヶ月)
最近、なかなか寝てくれません。 ちなみに、最近の睡眠時間は1日11時間くらいです。 寝かしつけようとすると、おとなしく抱っこされていますが、寝てくれません。 疲れさせたら寝ると思い、沢山遊んでいますが、 寝てくれません。うまく寝かしつけるにはどうすればよいですか。
赤ちゃんの寝かしつけは、多分、世界中のママがご苦労されていらっしゃいます。個人差があるため残念ながら「これが正解」はありません。でも、こんな話があります。ある研究で、ママが赤ちゃんを抱いて「座る」のと「立って歩く」のを繰り返してもらいました。その結果、母親が歩いている時は、座っている時に比べて赤ちゃんの泣く量が約10分の1に減り、自発的な動きが約5分の1に減り、歩き始めて約3秒程度で心拍数が顕著に低下することがわかりました。抱いたまま立って歩くことで赤ちゃんがリラックスすることがわかったのです。一般に哺乳類では母親が子どもを口にくわえて運ぶ際、子どもがおとなしくなることが知られています。これを「輸送反応」と呼んでいますがヒトにもそのような反応があるようです。赤ちゃんを抱いたまま部屋の中を歩きまわるという提案です。お試しください。
Q5 私しか寝かしつけられない
1歳3か月の娘がいます。生まれてから今まで私以外が寝かしつけたことがありません。添い乳や抱っこ、添い寝で寝ますが、私以外を受け付けず号泣です。皆さんのところはどうですか。知り合いの赤ちゃんは、父親でも祖母の抱っこでも、ほっておいても寝るらしく、ほんとに羨ましく思います。 同じ育児でも睡眠に関することでこんなに違うと落ち込んでしまいます。どうすればよいでしょうか。
ママにとって、ちょっと大変な場面(または面倒な場面)もあるかもしれませんが、まずはご安心ください。そして今はしかたがないとあきらめてください。特定の人に対する情愛的なきずなを愛着といいます。人に対する基本的信頼感をはぐくみ、将来の社会性の発達につながる「愛着の形成」の場面です。とても大切です。
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