すこやか やひっ子「子どもの睡眠」

① 子どもの睡眠

  

編集指導・・・柳本 利夫氏(新潟市西区中権寺 やぎもと小児科院長)

<睡眠の四大効果>

① 記憶の整理

睡眠中に脳が覚醒状態になっている「レム睡眠」の時、人間は記憶を固定し整理しています。脳には「海馬」という知識の工場があり、睡眠中に活性化し、昼間経験したことを何度も再生して確かめ、知識として蓄積します。そのため、十分な睡眠が運動能力や学力に影響すると言われています。

② 成長ホルモンの分泌

「成長ホルモン」は、睡眠に入ってすぐに分泌されます。子どもの筋肉や骨の発育を助け、代謝をコントロールする役割があります。成長期の子どもは、特に活発に分泌されます。

成長ホルモンは、眠りについてからの約2~3時間した一番深い眠りの時に大量に分泌されます。睡眠不足になると分泌が少なくなり、代謝が落ちてしまいます。さらに、食欲を増進するホルモンが分泌されてしまうため、つい食べ過ぎ、太りやすくなる傾向があることが報告されています。

③ 疲労回復

運動や労働、怪我などで傷ついた細胞が再生・修復されます。睡眠をとると疲れが取れるのは、体のメンテナンスをしてくれるからです。また、睡眠中に肌の新陳代謝を活発化させ再生・修復することから、肌の状態も良くなり、老化の防止にもなります。

④ ストレス解消

睡眠を十分にとらないでいると、脳の機能が低下してストレスに弱くなり、集中力がなくなって日常生活にも支障が生じます。ストレスは主に脳の疲れからくるもので、休ませることによりストレスを解消します。一方、睡眠不足から様々な病気にかかる場合もあるので、十分な睡眠をとることが大切です。

<朝の光の効果>

① セロトニンが活発に分泌

「セロトニン」は、脳の覚醒を促す脳内ホルモンで、頭がスッキリと目覚め、集中力を高める働きがあります。セロトニン分泌は、夜寝ているときにはなく、朝起きると始まります。セロトニンの分泌を増やすには、陽の光を浴びて体を動かすことや、しっかりと噛んで朝ごはんを食べること等が効果的です。

② メラトニンの合成

陽が沈むと体温を下げて眠りを誘う働きのホルモンである「メラトニン」が合成されます。このメラトニンは、セロトニンを材料にしているので、昼に活動を行うことにより、夜にはメラトニンがたっぷりと合成され、よく眠ることができるようになります。

メラトニンを作るのに必要なものは、たんぱく質です。朝食のメニューに豆製品や、乳製品、肉や魚を取り入れると効果的です。

<成長ホルモンの働き>

① 免疫力を強化する(新陳代謝を高め、傷ついた細胞を修復する)

② 筋肉を増やす

③ 骨を形成する

成長ホルモンを分泌させて子どもを健やかに育てるには、深く眠る熟睡の状態(ノンレム睡眠)が大事です。このホルモンは、生後3ヶ月から分泌され、幼児期で最も分泌されるのが4~5歳と言われています。また、規則的な睡眠は、自律神経などの脳神経細胞の働きを正常に保ちます。食事、外遊び、睡眠、排泄などリズムのある生活が大切です。

<深い眠りのコツ>

睡眠の導入に必要なホルモンとして「メラトニン」があります。このメラトニンは暗いところで多量に分泌され、明るいところでは分泌が抑えられます。このため、子どもが寝る時間に部屋の照明やテレビをつけていると、なかなか眠りにつけません。寝室は子どもが眠りにつきやすいように暗くしましょう。また、このメラトニンは日中にたくさん太陽光線を浴びることで夜に大量に分泌されるので、天気の良い日は子どもを外で遊ばせましょう。

<夜ふかしを招くのは親の生活習慣>

睡眠を含む子どもの生活習慣は、親や家族がどのように過ごしているかに影響を受けます。家庭での親の生活が夜型だと、どうしても子どもの生活も夜型に引っ張られます。夜遅く食事や買い物に行けば、必然的に子どもも遅い時間まで外出することになり、就寝時間が遅くなります。

また、SNS、動画サイト、ゲーム、テレビなど夜ふかし行為は、子どもも一緒に遊びたくなって眠りたがらないでしょう。親の夜型生活が、「寝ない子ども」を助長しているのです。

<睡眠不足・遅い就寝時刻の影響>

① 肥満の原因になる

睡眠不足によって食欲を抑制するホルモンの分泌が減少し、基礎代謝が低下してエネルギーの消費量が落ちることなどが原因です。

② 集中力、記憶力、思考力の低下

脳の疲労蓄積により、脳が十分に活動できず、集中力、記憶力、思考力が低下します。子どもは、授業や園活動に身が入らず、運動や遊んでいる時に怪我をする危険性が高まります。

③ 免疫力の低下

睡眠中に分泌される様々なホルモンが体の機能を整える上でとても重要です。睡眠不足になると、これらのホルモンの分泌が少なくなります。そして、体のバランスを崩し、免疫力が低下してしまいます。

④ キレやすくなったり、暴力的になったりする

セロトニンというホルモン物質が心を落ち着かせます。夜更かしすることでそのセロトニンは減り、キレやすくなり攻撃性が増します。

⑤ 生活習慣病やうつ病の原因になる

糖尿病などの生活習慣病や、うつ病になりやすいことが明らかになっています。

⑥ 幼児期の就寝時刻がその後の生活習慣にも影響

幼児期の就寝時刻が小学校に上がってからの朝起きにも影響すると報告されています。幼児期の生活習慣が、その後の生活習慣にも大きな影響を与えるということです。

<早起き・早寝が大切なわけ>

① ヒトは朝の光をキャッチして体内時計をリセットする

ヒトの脳の中には体内時計があり、ここで朝の光をキャッチして、体内時計を地球時間に合わせます。体内時計の働きで睡眠、体温、ホルモンの分泌などのリズムが刻まれます。遅くまで明るいところで起きていたり、朝の光をキャッチできなかったりすると、体内時計がリセットされず、1日のリズムをきちんと刻めません。

また、朝の光には、心を穏やかに保つ働きのある神経伝達物質「セロトニン」の活動を高める働きがあります。セロトニンは、興奮を呼び起こすアドレナリンなどの脳内伝達物質の量をコントロールするホルモンの一種です。人の精神状態を安定させます。

② 「メラトニン」の分泌が促進され、適度な時間に眠ることができる

朝早くに起きることで、適度な時間にメラトニンというホルモンの分泌が盛んになり、きちんとした時間に眠気がやってきます。

メラトニンは太陽の光を浴びてから15時間前後にならなければ分泌されません。適切な時間に眠れることで十分な眠りを確保できます。

③ 朝ごはんをゆっくり、きちんと食べることができる

朝ごはんを食べることで、子どもたちの脳がしっかり働き出します。当然、1時間目の授業内容がきちんと頭に入り、給食前までの集中力もキープできます。さらに、朝食を食べて腸が刺激され、便秘を防ぐことができます。登校後の腹痛が減ります。

④ ヒトは代々受け継がれてきたリズムは変えらない

ヒトは、昼には昼に動く、夜には夜に動く体の仕組みがあります。体温のリズム、ホルモンのリズムなど、体のすべてのリズムがそれに基づいてプログラムされています。その仕組みに合った生活をしないと、体や心をよりよく発達させることができません。そのリズムに合わせて生活したときに、ヒトはその能力を最も発揮できるようにつくられています。

⑤ 夜に浴びる光は体内時計と地球時間のズレを大きくする

夜に明るいところにいることは、体内時計と地球時間のズレを大きくし、生活リズムを崩します。また、夜の光は「メラトニン」という細胞を守る働きのあるホルモンを出にくくしてしまいます。

⑥ 成長に必要なホルモンは、夜寝ているときにたくさん分泌される

ヒトは、生後4か月くらいから夜寝ているときに成長ホルモンが集中的に分泌されるようになります。4~6歳ころからは、寝ついてすぐ、深く眠っているときにたくさん分泌されるようになります。成長ホルモンが十分に分泌されないと、脳や体の成長に影響が起きることが心配されます。

⑦ 体温のリズムが乱れると、昼間、活動的に生活することができない

体温のリズムもまた、睡眠、ホルモンのリズムと関連しています。体温は、明け方に低く、起きると上昇して脳や体を目覚めさせ、活発に動けるようなリズムを刻んでいます。睡眠のリズムが乱れると、この体温リズムも乱れてしまい、午前中にボーッとしたり、疲れやすかったりという影響が出ます。



【参照】

早寝早起き朝ごはん全国協議会(www.hayanehayaoki.jp/)

ベネッセ教育情報サイト子どもの睡眠時間 生活リズムを見直してみよう(https://benesse.jp/kosodate/201710/20171012-1.html)

小学館 Hagkumu 子どもの「理想的な睡眠時間」は何時間?(https://hugkum.sho.jp/13675)



<子どもの睡眠Q&A> 柳本院長による回答



すこやか やひっ子 トップページに戻る

このページに関するお問い合わせはこちらまで

担当課名:
弥彦村役場 教育課 社会教育係
電話番号:
0256-94-4311
メールアドレス:
bunka@vill.yahiko.niigata.jp